あいであ垂れ流し

俺は「ラッコ」だ。


普段は岩場の近くの波打際に漂っている
サーファー兼猟師のクールガイ…
おっと、だが勘違いするなよ?
よく森に二足歩行で遊びに行く
「もうだめだー」が口癖のあいつと違って
俺はつねに海とともに生きている
陸になど絶対上がらねぇぜ。


さて今日のメシを獲りに海底に着たわけだが…
なにやら泣き声が聞こえるぜ?
声を頼りにさらに潜る俺。
やがて海上から日光が降り注ぐ岩の上で啜り泣く
アワビのガキがいることに気がついた。


腹を満たすには少々小さ過ぎるが早速頂くとするか…
俺は懐からそっと石を取り出し
奴の体を包む甲殻を叩き割るべくアワビに近付いた……
その瞬間!


「お願いします!助けて下さい!」
さっきまで啜り泣くだけだったアワビが
急に物凄い大声をあげた。
流石の俺ですら驚きのあまり数秒固まる程の剣幕だ
これはただの命乞いには思えねぇ
俺は大音響と驚きで未だに痺れが残るヒゲを前足で抑え
少し事情を聞いてみる事にした。

(続く)



というベルトスクロールアクションのストーリーを思い付いた